旭化成、リチウムの設計・製造技術のライセンス供与を開始

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Jul 09, 2023

旭化成、リチウムの設計・製造技術のライセンス供与を開始

旭化成は、次世代エネルギー貯蔵デバイスとしてリチウムイオンキャパシタの設計・製造技術のライセンスを開始する。 旭化成は、設計・開発に関する技術供与を開始した。

旭化成は、次世代エネルギー貯蔵デバイスとしてリチウムイオンキャパシタの設計・製造技術のライセンスを開始する。

旭化成は、独自のリチウムプレドープ技術をベースとしたリチウムイオンキャパシタ(LiC)の設計・製造に関する技術供与を開始した。

独自の新規ドーピング法により、リチウムイオン電池(LiB)の製造に使用される一般的に入手可能な材料や設備を用いて、より低コストでLiCを製造できるとともに、大容量化や入出力性能の向上を実現したLiCの設計・製造が可能となります。

ライセンスには、LiC技術に関する旭化成の知的財産だけでなく、セルの設計やパイロット装置による製造などの技術的専門知識も含まれます。 旭化成は、自社技術のライセンス供与により、世界中のライセンシーがLiC開発期間を大幅に短縮し、既存の設備を活用した低コストでのLiC製造を実現できるようサポートしていきます。

電動モビリティの普及や再生可能エネルギーの利用増加により、エネルギー貯蔵デバイスの需要は今後も増加すると予測されています。 LiCは、電気二重層キャパシタ(EDLC)と同じ材料を正極に、LiBと同じ材料を負極に使用した次世代エネルギー貯蔵デバイスです。

LiCはLiBに比べて入出力特性が高いため、瞬間的な電力が必要とされる分野に適しており、急速充電が可能です。 また、LiCは長いサイクル寿命と高い安全性を特徴としており、架線からの電力を使用する代わりに各停留所で充電する路面電車やバスなどのモビリティ用途での使用が期待されています。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーのエネルギー貯蔵システム(ESS)の成長分野では、LiCを併用することでLiBの充放電負荷を軽減し、LiBの寿命を延ばすことが可能です。 これにより、LiBの交換頻度が減り、廃棄物の削減によるランニングコストの削減と環境負荷の削減が期待できます。

従来のLiC製造プロセスでは、穴あき箔やリチウム金属箔など、プレドーピング用の高価な材料が必要でした。 さらに、リチウム金属は反応性が高く危険であるため、安全な作業環境を維持するには追加のコストがかかります。

旭化成は、安価な炭酸リチウムをリチウムイオン源として使用し、穴あき箔やリチウム金属箔などの高価な材料を必要としない低コストのプレドーピング方法を開発しました。 この新しいドーピング方法では、炭酸リチウムがカソードに含まれており、ほぼすべての炭酸リチウムが分解してリチウムイオンがアノードに移動する初期充電時にプレドーピングが実行されます。

これにより、LiB製造と同様の材料・設備でLiCを製造できるだけでなく、容量や入出力性能を1.3倍以上(当社従来のLiCと比較)高めることが可能となります。

旭化成は、すでに本技術のライセンス供与を行っており、世界の持続可能性に貢献する次世代エネルギー貯蔵デバイスとしてのLiCのさらなる普及と用途開発を支援するために、今後も他のライセンシーへの提供を継続していきます。

1 負極にリチウムイオンをプレドープすることで、負極電位を電解液電位より低く保ち、従来のEDLCに比べて耐電圧の向上とコンデンサ自体の静電容量の増加によりエネルギー密度を大きくすることができます。

旭化成について

旭化成グループは、世界中の人々の命と暮らしに貢献します。 旭化成は、1922年にアンモニアとセルロース繊維の事業で創業して以来、時代ごとに進化するニーズに応えるため、事業ポートフォリオを積極的に変革し、成長を続けてきました。

世界中に 48,000 人以上の従業員を抱える同社は、マテリアル、ホーム、ヘルスケアの 3 つの事業分野を通じて世界の課題に対するソリューションを提供することで、持続可能な社会に貢献しています。 詳細については、www.asahi-kasei.comをご覧ください。